仕事の進め方1:マーケティングのステップ9〜13

マーケティングの13ステップについて記述したとおり、仕事の進め方には大きく決められたステップが存在する。決められたというよりも、決めて行うことで仕事の仮説検証がしやすくなるということである。

メンバーレベルからマネージャー、部門長、会社のトップと立場が上がるにつれて、ステップの上位の役割が大きくなる。一方、立場が下になればなるほど、実行部分が増えていく。しかし、立場をあげていくには、現場レベルで何が起きているのか、何をしているのか、現場のKPIは何をおけば良いのかを知っている必要がある。

 

そこで、今日はマーケティング13ステップのうち、9〜13のステップについて解説していきたい。

 

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9.スケジューリングと役割分担

仕事の実務のうち、最も大切なのが、この9.スケジューリングと役割分担のパートです。スケジュールを設定出来ないと仕事そのものをすすめることが出来ないし、納期に対してどれくらいの進捗なのかを確認することが出来ないからです。逆にいうと、このスケジューリングまでできれば、仕事の8割は終わったと言っても過言ではありません。仕事には納期がつきもので、納期がないものは仕事ではないという言葉があるくらいです。

では、そのスケジューリングをすすめるためには、何が必要なのでしょうか。順番に解説していきます。

 

5W1Hを確認する 

ここでは、マーケティングのステップ8、つまり課題に対して何をしていけばいいのかが明確になっている状態で話をします。課題に対して実施することが決まったら、その対策を実施するまでにいつまでに何を誰とすすめるのか、誰に確認するのかを明確にすることから始めます。

例えば、LPの制作をすることを考えてみましょう。あなたがマーケティングの部署で、LPの制作は外部の制作会社か社内のデザインチームにお願いすることを想定しておきます。

この状況の中で、まずあなたが行うことは、時間軸上で何が必要なのかを洗い出すことです。LPの制作を行うためには、狙うべき市場の選定、ペルソナの設定、セールスファネル(セールスステップ)の作成、ストーリー(構成案)の作成、素材収集、デザイン、コーディング、実装、実施というフェーズがあると思うので、それを洗い出しておきます。

続いて、各業務上に、誰が関わるのかを列挙しておきます。デザイン・コーディング・実装までは、デザインチームが担当すると思いますし、それ以外はマーケティングの部署にいるあなたが行う必要があると思います。さらに、各業務上での決済者(リーダー)を決めておきます。このリーダーを決めるというのが非常に重要で、リーダーを決めておかないと、部下や関係者が誰に何を確認していいのかわからなくなり、宙ぶらりんになることがあります。

この次に、各業務の納期を確認・設定していきます。LPの制作のゴールは、LPを完成させることではなく、そのLPをいつから使い始めたいのかを設定することです。例えば、翌月の月初からキャンペーンを使うために利用するのかであったり、商品に新機能が追加される日までにLPを制作し切り替える必要がある、などです。この大本のゴールを決めたのち、関係各所(ここでいうデザインチーム)に、構成案を提出してから何日間で初稿を上げてもらえるのか、何回確認・修正の作業を行うのか、コーディングにはどれくらいかかるのかなどを確認して、スケジュールをプロットしていきます。

LPのリリースまでに、何をいつ誰に共有するのか明確になるかと思います。

 

スケジュールを誰もがわかるものに落とし共有する

5W1Hを洗い出した状態で、エクセルやスプレッドシートなどにスケジュールを記載していきます。このときのポイントは、関係各所全員に共有出来ている状態です。そうすることで、各所に責任感が生まれ、いつまでに何をしなくてはならいのか明確になるため非常に進めやすくなります。

このとき、エクセルなどにまとめる場合は、縦軸に業務の細分化、横軸に日付を設定し、左上から右下にかけて各タスクの納期が順番になっている状態(↘の状態)になっているのが良いでしょう。

 

ここまで行えばスケジューリングは完了です。

 

10.動機づけ

この動機づけというステップが意外と重要で、今回のLP作成のように関わる部署が増えたりメンバーが増えた時には欠かさずやったほうが良いポイントになります。ようは、関わる部署が、仕事を雑務と感じさせないためのステップが重要なのです。優秀な方であれば、すぐに自分ごと化をし仕事に意思をもってすすめることができるのですが、会社にいる人全員が全員そうとは限りません。そのため、業務に目的を与えて上げるor自分がやる場合は目的を設定する必要があるのです。

LPの制作でいうと、「このLPは新しいマーケットを開発するためになくてはならないものである」や「このLPを制作する工程で、今まで使ったことのないデザインスキルを入れてみよう」などです。

動機づけを行うことで、アウトプットの質も上がること間違いなしです。

 

11.仮説検証のフロー作成

業務を行う際に、実施する前にある程度仮説検証のフローを制作すると良いでしょう。WEB広告のPDCAであれば、どの指標をいつのタイミングでみて、GAPが出ていた場合、次の一手としてどうするみたいなものを事前に明確にしておくことです。LPの制作であれば、誤字脱字や表記ゆれの確認、構成や素材写真の確認、トンマナの確認など、事前に確認しておくべき内容を洗い出しておきます。

 

12.実行

ここまできてようやく実行のフェーズです。ここまで設定しておかないと作業に入ったタイミングで混乱が発生することがあります。誰に確認すれば良いんだっけ?いつまでに仕上げる必要あるんだっけ?明日でもいいか…など足踏み状態に陥ることが出てきてしまいます。そのため、ここでようやく実行のフェーズが来ます。

しかし、実際の実務の現場では、早くやらないとならないこともあるでしょう。そういう時は、1〜11のステップの粒度を少し粗目にし、実施しながら埋めていくようにしましょう。

 

13.仮説検証

実行をしたら、仮説の検証をしっかり行いましょう。実際の反応率はどうなのか、作業は納期通りに進んでいるのかなどを確認していきます。1〜11を実施していないと、この作業が非常に大変になります。仮説をたてておかないと、現状が目標に対してどう推移しているのかわからなくなってしまいます。

 

ここまできたらまた1のステップに戻るか、3.目標の設定のための現状分析に戻り、課題を分析し、マーケティングの13ステップを回していくことで、仕事を進めていきます。

 

いかがでしたでしょうか。

正直めんどくさいとか大変だなと思うことがあり、なかなかイライラしてしまうこともあるかと思います。しかし、ここまでしっかり設計・準備をしておき、この進め方の型を持つことでどんどん仕事が回るようになっていきます。

ぜひ試してみてくださいね。